人生100年時代を生きる私たちにとって、健康で長く活き活きと過ごすことは最大の願いです。しかし若い頃に不摂生を続ければ、年齢を重ねたときに体の免疫力が衰え、健康を損なうリスクは高まります。
運動が必要とされる理由は明快です。第一に、身体機能を維持するため。健康であることは、快活な毎日を保証します。体調を崩せば、仕事も生活も思うように進まず、パフォーマンスは大きく落ちてしまいます。
子どもの頃を思い出してください。眠くなれば眠り、翌朝には元気いっぱいで遊びや学びに向かう。健康な体が、充実した日常の土台となっていたのです。大人になった今も、その原理は変わりません。
大人になると、夜遅くまで働き、意識的に時間を取らなければ運動をしなくなります。そして、体だけでなく「脳の疲労」も積み重なっていきます。
ここで重要なのは、肉体の疲労は睡眠で回復できても、脳疲労は睡眠だけでは十分に癒えないという事実です。運動には、筋力や体力の向上と同時に、脳の疲れを解きほぐす効能があります。
走っているとき、無心になれる瞬間があります。悩みや執着から一時的に距離を取り、心を静めることができる。まさに運動は、精神を安定へと導く力を秘めているのです。
興味深いのは「オートパイロット」という機能が働き、私たちが無心になっている時、脳は自らの意思とは別に物事を処理しているという研究もあるようです。この機能を活用しない手はないでしょう。
仏教では「心身一如」と説かれます。心と体は別々ではなく、一つに働いています。体を整えれば心が整い、心を澄ませば体も健やかになる。運動習慣とは、この「一如」を日常で実感する方法でもあるのです。
身体は資本です。
ぜひ運動を生活に取り入れ、心身ともに健康で、100年の人生を楽しく歩んでいきましょう。

