011_天命に任せきる

人生は思い通りにいかない

人生は思い通りにならないものです。努力は必ず報われるとは限らず、時には他人の価値観を背負っていまに不平不満を抱えることもあるでしょう。例えば成果を得られたとしても、欲望は次から次へと湧いてくるものです。

努力しても理想と現実のあいだには必ず差が生まれます。昇進や仕事の成果、家族関係や人間関係にいたるまで、自分の思うように進むことはそう多くありません。むしろ、思い通りにならないことの方が圧倒的に多いのが人生です。

そのとき人は「なぜ上手くいかないのか」と悩みますが、その原因は往々にして「自分の力で全てを動かせる」と思い込んでしまうことにあります。

変化し続ける世界を知る

仏教には「諸行無常」「諸法無我」という言葉があります。すべてのものは移ろい、変化し続け、互いに関わり合って存在している。つまり、世の中は常に動いているのだから、一人の力で完全にコントロールすることなど不可能だということです。

期待が裏切られると人は強いストレスを感じます。逆に言えば、期待と現実の差を理解し、「変化するのが当たり前」と受け止められれば、心はずっと軽くなるのです。

努力して委ねる心持ち

大切なのは「天命に任せる」という姿勢です。自分の責任を放棄することではなく、できる限りの準備と努力をした上で、その結果は天に委ねるという考え方です。

「人事を尽くして天命を待つ」という格言にある通り、やるべきことをやった後は結果に執着しない。そうすれば、思い通りにならない現実に振り回されず、むしろ新しい展開を前向きに受け止められるようになります。

人生は常に変化しています。だからこそ、自分にできることは精一杯やり、あとは天命に任せる。そうした生き方が、人生の荒波を楽しむ心の余裕を生み出すのです。

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